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補陀落

追悼 水木しげるさんとマックス・ヴェーバー『プロ倫』

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追悼 水木しげるさんとマックス・ヴェーバー『プロ倫』

水木しげるさんは「反面、辛酸をなめた男ならではのずぶとい合理性と、人の才を見抜く目を備えていた。マンガが売れるといち早く量産体制を整え「うまくて早くてヒマそうな」若手に手伝いに来てもらう。つげ義春氏も手伝いの合間に傑作を描き、巣立っていった」(朝日新聞から抜粋)
こういうところ見ると、商才、合理性、天職(ベルーフ)、あのマックス・ウェーバーの「プロ倫」そのもの。水木さんが天職意識を持ち、企業家的だったのは明らか。
ウェーバーは「正当な利潤を天職として組織的かつ合理的に追求する心情を『(近代)資本主義の精神』」と名づけたが、水木しげる氏も実はピューリタン的資本主義精神(エートス)を体現する人物だったといえる。けっして「しきりに国家の援助を求める小規模で無資力な怠け者」ではなかったのである。
水木しげる氏とウェーバーの『プロ倫』は意外な組み合わせかもしれないが、ウェーバーは「(新たな資本主義精神への)革命過程のすべてが完成されるのに親戚から借り入れた数千マルクそこそこの資本で十分だった」と述べている。全然意外じゃないのだ
注 近代的なBeruf「天職」(神から与えられた召命としての職業)概念の創造は、言葉の上でも聖書の翻訳、しかもプロテスタントのそれからきたものだった。 マックス・ヴェーバー『プロ倫』より

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